2022/03/30 投稿

東洋大学国際観光学部 総合型選抜(AO型)課題レポートの書き方

東洋大学国際観光学部の総合型選抜(AO 型推薦入試)総合系(一般型)において合否の要となるのが課題レポートです。
志望理由書と小論文に対して配点が高く設定されており、どうまとめるかが勝負の分かれ目となります。
また、試験当日のプレゼンテーション発表の土台になりますから、悔いの残らないようにじっくりと考え、文章に落とし込む必要があります。
従来からA4用紙(40字×36行)1枚以内という字数制限が設けられており、計算上は1440字となりますが、段落の字下げや改行を考慮すると1400字以下にまとめることになります。
原稿用紙の3枚半のボリュームになりますが、設問で与えられた項目に答えていくと決して余裕のある文字数ではなく、簡潔にまとめていかないとあっという間に制限に達してしまいます。

では実際に2022年度の課題を見てみましょう。

「ポストコロナ時代においてもインバウンドには大きな可能性があり、2030 年訪日外国人旅行者数6000 万人、訪日外国人旅行消費額15 兆円などの目標達成に向け、観光先進国の実現に取り組むことが必要となっています。
観光庁では、消費単価が高いと考えられる富裕層の来訪・滞在の一層の促進を図るため、庁内で検討を進めています。
今後、富裕層の来訪・滞在の促進を図るためにあなたが有効と考える具体的な施策を1つ提案するとともに、なぜその施策が有効と考えるのか理由を説明してください。」
となっています。

2021年度は感染予防対策、3密防止への配慮などまさにコロナ禍における観光のあり方をテーマとしていましたが、2022年度はポストコロナへと変化しています。
このように課題の前提がどこにあるのかを正確に見極めないと問われている事とは全く違う方向性の文章を書いてしまいますから注意が必要です。
その上で「富裕層の来訪・滞在の促進のために有効な具体的施策を1つ提案して」「その施策が有効と考える理由を説明する」ことになります。
そして、最も大切なことは、独創性があるアイディアを持って論じることです。
よくある例として
「ユーチューブを使って日本の魅力を世界に発信する」
とか
「和食や着物、寺院などの歴史的建造物をアピールする」
といった論点がありますが、あまりに一般的過ぎて「あなたの提案」とは言えません。
しかも、これは全ての外国人旅行者に当てはまるものであり、出題者が限定している「富裕層の促進」という条件を満たしていないことになります。
すでに日本ではインバウンドの活性化について長年論じられており、様々なアイディアが提示されています。
そうしたアイディアをなぞるのではなく、組み合わせたり、アレンジしたり、あるいは全く新しい視点から導き出すことが、受験生には求められているのです。

その一方で、実現可能性がある提案をすることも重要です。

例えば
「JALやANAの旅客機を富裕層専用のプライベートジェットとして運航する」
「ディズニーランドやUSJで富裕層限定の貸し切りイベントを実施する」
といったアイディアを出したとします。
はたしてそれは実現可能でしょうか。
実際にJAL、ANA、オリエンタルランド、USJは、そんなことを行うでしょうか
一般客を対象にした時よりも富裕層に貸し出した方が売上と利益が大きくなり、かつ富裕層もそれに見合うだけの運賃や入場料を支払うことができるのならば実現するかもしれません。
このように提案というものは子どもが描くような夢物語ではなく、社会活動、経済活動として実現可能性を追求しなければならないのです。
そのためにも観光産業に関わる企業の事業内容や国、地方自治体の活動、観光客の動向など客観的なデータと共にしっかり学習しておくことが大切になります。
段落構成や分かりやすい文章表現など文法的な正確性はもちろん大切ですが、その前提としてこうした考え方の方が重要であり、それがあってはじめて文章力が活きてくるのです。