2021/09/06 投稿

総合型選抜(AO入試)における親の役割

一般入試に比べて総合型選抜(AO入試)では、受験生の両親の介入が多いように感じます。
一般入試の現代文、古文、英文解釈、日本史といった科目は本人が黙々と努力することが中心であり、親としては模試の成績表を見て判断することぐらいしかできないでしょう。
しかし、総合型選抜では志望理由書、自己PR、活動計画書、課題論文など一般的な日本語の文章で書かれますので、両親でもその良し悪しが十分に判断できます。
もちろんそれは好ましいことであり、書いた文章を一人でも多くに人に見てもらい、意見をもらうことは、内容の充実と分かりやすさを追求する上で非常に重要です。

そこで、両親のアドバイスをより効果的なものにするための大切なポイントとして、志望理由書の目標設定の具体化が挙げられます。
なぜその大学に行きたいのか、
なぜその学部学科を選んだのか、
そこで何を学びたいのか
という志望理由は、全て将来の目標を実現するためにあります。
企業で働くのか、
公務員として国や地方自治体で働くのか、
大学や専門機関で研究者になるのか、
資格を取得して専門家になるのか、
あるいは自分自身でビジネスを起業するのか
など、様々な立場から社会に貢献するために大学での学びはあるのです。
その目標設定が具体的であればあるほど、大学に行って何をどのように学びたいのかが明確になり、志望理由として評価が高まります。

とは言え、まだ18歳の高校生では、社会の様々な仕事の種類や内容を具体的に把握するのは難しいこともあるでしょう。
例えば、医療関係、教育関係、鉄道や航空等の交通関係、デパート、ホテル、飲食業といった商業関係など日常生活において目にする機会の多い仕事については、ある程度想像が及ぶはずです。
しかし、世の中には一般の人が目にすることが無いだけで、実に多くの仕事が存在します。
たとえテレビCMで目にするような有名企業であっても、その中には様々な部署があり多くの職種があります。
ですから、この点について社会経験を持つ身近な大人として、ぜひ親から受験生に知見を活かしていただきいのです。

もちろんたとえ社会人でも一人の大人が様々な職業を経験することはできません。
実際にその仕事に就いたことがあるかどうかではありません。
これまでの社会生活で見たり、聞いたり、知っている範囲で構いませんから、志望理由の目標設定のために受験生にアドバイスをしていただきたいと思います。
もちろんその目標は、進学後に様々な経験を積んだり、多くの人や物事と出会ったりすることで変わることもあるでしょう。
ですが、18歳の受験時において夢を持ってビジョンが描けるように、社会貢献の方法には様々な形があることを伝えていただきたいと思います。
この点だけは、受験生に対して講師の立場から「これにしなさい」「こうした方が良い」と言うことはできません。
一人ひとりの将来に関わることですから、ぜひ各家庭の中でよくディスカッションすることを期待します。

そして、目標がしっかり固まると、そこに至るためのプロセスと意志が明確になります。
総合型選抜の志望理由において大学側が期待することは、まさにこの点になるのです。
目標達成に向けた強い姿勢が見えれば、大学の一つひとつの授業やゼミに真剣に取り組み、4年間できちんと卒業し、しっかりと就職してくれることが期待できます。
逆に、授業への出席は疎か、課題提出はいい加減、留年したり中退したり、卒業後に何の定職にも就かないような学生はいらないということなのです。
ちなみに、一見すると具体的な目標設定がされていると読める志望理由書でもネット記事をコピペしたり、採点者のウケを狙ったりしたようなものはすぐにバレますからご注意を。
たとえ文章であっても本人の熱意や思いがそこに表れているかどうかが重要であり、決して綺麗な文章を作ることではないのです。
この点も踏まえて、ぜひ親子で熱意と思いを喚起するようなディスカッションをしてみてください。